2020年3月2日月曜日

むかし ある村を飢饉が襲いました


村の人たちは なけなしの食料を倉庫に隠し
お互いに奪われまいと戦々恐々としておりました


ある日 この村に見知らぬ老人が現れました
老人は 持っていた鍋に水を入れ 火をおこして
鍋をかけました


村人たちは老人に尋ねました「何を作っているの?」
老人は「おいしいシチューだよ。できたら皆にも分けてあげよう」
「でもこれは ただの水じゃないか。一体どうやってシチューを作るんだい?」


「わけないさ。ただ残念なことにニンジンがちょっと足りない・・・」
老人がこう言うと 村の誰かが家に隠してあった
小さなニンジンを一本持ってきました
「これを使ってくれ。シチューができたら本当に分けてくれるんだろうな?」


「本当だとも。ただなあ、今度はジャガイモが足りなくて・・・」
すると別の村人が ジャガイモを持ってきました

老人はその後も次々と
「玉ねぎが」「ベーコンが」「牛乳が」「バターが」
と足りないものを言い そのたび
村人たちは少しずつ食材を持ち寄ったのです


やがて おいしいシチューができあがりました
村人たちは大喜び
「おいしかったよお爺さん 本当にありがとう」
「でもどうやって ただの水からシチューを作ることができたんだい?」


すると老人は言いました
「シチューを作ったのは あなたたちだ。
困ったときこそ 助け合いなさい。
そうすればどんな危機をも乗り越えることができる!」


「大草原の小さな家」に出てくる寓話

紙類を車いっぱい買い占めたり
ネットで高額転売している人をみるたび このお話を思い出します

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