むかしむかし、オオカミが空腹に耐えかねて人里へ下りてきました。
とある家の前を通りかかったオオカミは
門の前に一匹のイヌがいるのを見つけました。
イヌの前には、食べ物が入っていたらしい空のお皿がおいてありました。
「いいよなあお前は」オオカミはため息をついて言いました。
「ちょっと家の番をするだけで、人間に食べ物をもらえるんだもの」
ところがオオカミは、犬の首に鎖がついているのを見て、また言いました。
「なんだお前、自分の意志で動けないんじゃないか。
俺はいつも腹ペコだが、自由がある!」
するとイヌが、静かに言いました。
「よちよち歩きの小さい子供が外に出る時、お母さんはどうしてる?
その子の手をしっかりにぎっているだろうよ。
この鎖はね、私が危ないところへ行ってしまったり、迷子になったりしないよう
家族がつないでくれている手なんだよ。
私は鎖につながれてはいるが、縛られてはいないよ」
※ イソップ物語に勝手に話を付け足してみました
自由すぎる柴犬さん・・・